慕情を感じさせる神秘 山岸凉子 青青の時代
初めて邪馬台国の「卑弥呼」という人物を知ったのは
漫画日本の歴史、とかそういうシリーズものだったと思います。
それから未だに多くの謎を秘めている邪馬台国、卑弥呼について
わくわくする論争がかわされています。つい先日も!
私が小学生だったころも、畿内説と北九州説があって
北九州が濃厚…という感じだったと思います。
魏に近いからとか(おぼろげ)。
そんな邪馬台国、卑弥呼について新解釈ともいわれる物語を描いたのが
山岸涼子先生の「青青(あお)の時代」。はあ〜〜表紙がなんと耽美なんでしょう。
美しいけれど不思議なメイク、衣装で
日本らしいような要素もあるのにすごくエキゾチックです。
物語は、卑弥呼ではなくその後継者とされている
壱与という少女が主人公です。
卑弥呼がどんな人物だったのか、邪馬台国とはどんな国だったのか、
どうして卑弥呼が巫女として国を治めることになったのか…
山岸先生の美しい絵で描かれています。
やはり太古の話(弥生時代?古墳時代?両方の説があるようですね)なので
市民の衣服や居住地も華やかなものではありませんが
鬼気迫るような人物の表情や、神秘的な巫女の姿はとても華やかです。
ちなみに、邪馬台国に関する具体的な記述はありませんが、
作中にゴーヤやハブが出てきていることから、
場所は沖縄や奄美の島を連想させられます。
これも新しい。
現代と全く異なる神秘的な世界、それでも
どこか懐かしさを感じさせてもっともっと続きが読みたくなる
そんな作品です。