集合場所は本屋です

誰かに伝えたい、読んだ漫画・本についてまとめます

恋して愛して 西原理恵子 ダーリンは70歳

40にして不惑、なら70になったら?
孔子が言うところには、
「七十にして心の欲する所に従えども、
矩を踰えず」。
高須クリニックの高須医院長、
確かに心の赴くままに生きて、
それでも多くの人を救っている。
私財で多額の寄付をしたり、
困っている人のスポンサーをしたり、
もちろん多くの患者を救っている。

その、好きに生きても人の道を外れない
70歳が恋をしたら?
こんな素敵なことが起こるんだ、
恋って、愛って、こういうことなのかも。
人生悪くないなあと思わせてくれる
漫画でした。

西原理恵子さんの漫画も好きで
他の本も読むのですが、
生々しくて痛みを感じる時もあるけれど
暖かくて、なんとか明日もやっていこうと
思わせてくれるところにグッときます。

このダーリンは70歳でも
たくさんそういう場面があって、
しかも知っている(有名人という意味で)人の
恋愛なので、グッグッグッと心を掴まれます。

あと、本当に?本当に?と
疑いたくなるくらいの
キャラが濃い2人を取り巻く色々な出来事では
笑わせてもらいました。
特になれそめの部分。
ホテルニューオータニでこんなことあったの?本当に?
でも2人なら、本当なんだろうな。

恋とか愛とかなんだろうなと思った時、
人生長すぎると思った時、おすすめの本です。

今の自分が未来の自分を励ませる ジェーン・スー/ナナトエリ 未中年~四十路から先、思い描いたことがなかったもので。~

「40にして不惑」って本当かしらとよく思います。

今、周囲の40代の人たちは、私が10代、20代の時に考えていた
40代とは異なり若々しく行動力があって、
ファッションも30代の時とあまり変わらない人もいます。

10〜20年前は普通だった、「結婚していて子育て中の人」が
普通ではなくなり独身の人もいれば既婚で子がいない夫婦もいる。

ここ10年でぐっと多様化してきた(多様化が認められてきた)世代、
それが40代なのではないでしょうか。

30代は元々変化が多い世代だし、30代のロールモデルは世の中にたくさんあるけれど
まだその先の40代のロールモデルがない。あっても、少ない。

そんなことをぼんやり考えていた時!
こちらの本を見つけました。

ジェーン・スーさんといえば、
「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」が
うむむとうなるような鋭くて笑えるエッセイがとても面白かったです。
そのジェーン・スーさんが原作で
40代以降をどう生きるか葛藤する主人公を描いた漫画
「未中年~四十路から先、思い描いたことがなかったもので。~」、
見つけてすぐ読みました。

主人公が、30代とは違う、40代ならではの体の悩み、人間関係の悩み、
仕事の悩みを抱えていて読んでいて少し苦しくなる時もありましたが、
一つ一つ、小さいけれど地道な努力でそれを解決に向けていく後半は
とても励まされました。
ハッピーエンド?だし、元気のない時に読み返したいようなお話。

そして、今30代が心に留めておこうと思ったのは、
「40代の自分を後押ししてくれるのはそれまでの自分自身の頑張りも大きい」
ということでした。
30代で頑張った仕事の知識、スキルが40代の自分の仕事を助けてくれる。
落ち込んだときに愚痴を聞いてくれるのは、昔からの友人。
40代から新しいことを始めることはもちろんできるし、
そういうエピソードもあるけれど、それだけではなくて
やっぱりいつの自分も過去の自分の延長線上にいるんだようなあ、と認識したのです。

前向きになれるけれど、身が引き締まる、そんな本でした。
おすすめです!


幸せの権化 カフカヤマモト 家族ほど笑えるものはない

私の理想の毎日をぎゅっと凝縮して一冊の本にしたら、
きっとこの本のようになると思います。

instagramでほぼ毎日配信されている、
作者カフカヤマモト(@cafca_yamamoto)さんの
4人家族の日常のイラストを本にまとめたものです。

これが、タイトルの通り、こんなに笑えるものはないくらい笑えます。
最強の娘ちゃん(2歳)、優しい息子くん(5歳)、
ボケもツッコミもするカフカヤマモトさん、
どんなときもクールスタイルのカフカさんの夫さん。

毎日こんなに笑えることがあるものかね!と思えるくらい面白くて、
でも確かにこんなことあるある〜と共感が出来るので
物事の感じ方と表現の仕方にユーモアセンスが爆発してる方なんだと思います。

でも、笑えるだけではなくて、
たくさん感動する場面があって、
第二章の始めから私は号泣してしまいました。
娘ちゃんが産まれたときの息子くんの様子、
第三章の夫さんのワンオペ育児デーの様子、
そしてカフカさんの復職ブルーの様子…
みんなに感情移入ができて、でも誰も悪くないし、
毎日大人はとても忙しそうで、子供達それぞれにも色々あって、
でもみんなが家族を大好きで…
こんな毎日、とっても大変そうだけれどとても素敵で、憧れます。

最後のあとがきの一文、
「おかあさんは、あなたたちがあまりにも可愛くて可愛くて…みんなに自慢したかったんです。」
という部分を読んだ時、またボロボロと泣きました。

育児中の方でも、そうでない方も。
笑って泣いて、ほっこりしたい方に是非読んでもらいたい
素敵なコミックエッセイです。


お腹が空くような空かないような 九井諒子 ダンジョン飯

RPGといえば、ドラクエ派ですか。
ファイナルファンタジー派ですか。
私はメガテンが一番好きです。

この漫画に出てくるのは、ドラクエ寄りのモンスター達と、それを
調理しておいしくいただくパーティメンバーです。

まあ〜この料理が、調理法はリアルで料理漫画を見ているみたいです。
もちろん、宝虫とか干しスライムとかは想像で補うしかないんですが、おいしそうなんですよね。
いや、ものによるんですが。

九井先生の漫画、ファンタジー要素がちりばめられているのに人物の心理描写が深くって、大好きです。
もっと作品が読みたいんですが…ダンジョン飯も、中々続刊が出ないんですよねorz

RPGも料理もどちらも楽しめるダンジョン飯、どちらも好きな方もそうでない方にもおすすめです!

慕情を感じさせる神秘 山岸凉子 青青の時代

初めて邪馬台国の「卑弥呼」という人物を知ったのは
漫画日本の歴史、とかそういうシリーズものだったと思います。

それから未だに多くの謎を秘めている邪馬台国卑弥呼について
わくわくする論争がかわされています。つい先日も!

headlines.yahoo.co.jp

私が小学生だったころも、畿内説と北九州説があって
北九州が濃厚…という感じだったと思います。
魏に近いからとか(おぼろげ)。


そんな邪馬台国卑弥呼について新解釈ともいわれる物語を描いたのが
山岸涼子先生の「青青(あお)の時代」。はあ〜〜表紙がなんと耽美なんでしょう。

美しいけれど不思議なメイク、衣装で
日本らしいような要素もあるのにすごくエキゾチックです。

物語は、卑弥呼ではなくその後継者とされている
壱与という少女が主人公です。
卑弥呼がどんな人物だったのか、邪馬台国とはどんな国だったのか、
どうして卑弥呼が巫女として国を治めることになったのか…

山岸先生の美しい絵で描かれています。
やはり太古の話(弥生時代古墳時代?両方の説があるようですね)なので
市民の衣服や居住地も華やかなものではありませんが
鬼気迫るような人物の表情や、神秘的な巫女の姿はとても華やかです。

ちなみに、邪馬台国に関する具体的な記述はありませんが、
作中にゴーヤやハブが出てきていることから、
場所は沖縄や奄美の島を連想させられます。
これも新しい。

現代と全く異なる神秘的な世界、それでも
どこか懐かしさを感じさせてもっともっと続きが読みたくなる
そんな作品です。

最強のバカ枠 佐々木倫子 チャンネルはそのまま!

漫画も本も好きですが、テレビも見ます。

 

先日爆笑してしまったのは、テレビ東京系で土曜日深夜に放映している

ゴッドタンにて、松丸アナウンサーが「他人の関係」を熱唱していたところ。

 

松丸アナ、よくいる美人ではなくすごい美人なのに、

本当すばらしいです。

ablog.tv-tokyo.co.jp

 

松丸アナはきっと聡明な人だと思いますが、

「チャンネルはそのまま!」の主人公

北海道テレビの雪丸はおばかでドジのトラブルメーカー、

どうやって難関のマスコミの筆記試験を突破したのだろうかと思います。

 

佐々木倫子先生と言えば、大ヒット漫画「動物のお医者さん」の作者ですよね。

大学時代にわざわざ北海道旅行にゆき、北海道大学獣医学部

記念写真を撮ったことが懐かしいです。。

(おれはやるぜおれはやるぜ そうかやるのか やるならやらねば

 

松丸アナの計算された笑いではなく、

天然で周囲を巻き込む雪丸。でも、バカ枠は常識にとらわれないので、

大エースになる可能性も秘めている。

事実、偶然雪丸がテレビ放映デビューをしたニュースでは、

同時間帯の視聴率トップをたたき出すという結果に。

 

バカとはいえ、雪丸と佐々木先生のすごいところは

明るく笑えて悪い気分にさせないところです。

どんなに迷惑をかけられて、怒っていても

「雪丸だからしょうがない」「バカだからしょうがない」

「漆原教授だからしょうがない」と諦観の悟りを開けます。

実際にそばにこういう人がいたら、そうも言っていられないのでしょうけど!

 

同僚で、他部署や他支社にこんな人いたらいいなと

笑って楽しめる作品です。

 

 

 

今すぐ築地に行かないと! はしもとみつお/大石賢一 築地魚河岸三代目

シルバーウィーク以降、少しずつ秋の陽気になってきましたね。

秋は1年の中で一番好きな季節です。読書の秋、それから食欲の秋!

そして、秋鮭の秋!

 

スーパーで1年中売っている鮭、お寿司屋さんで1年中食べられるサーモン、

しかし本当の日本の鮭の旬は、秋なのです!

・・・と、サケ専門仲卸「カギ花」の花田さんに教わりました。

(詳細は5巻をご覧下さい)

 

築地市場は、地下鉄都営大江戸線の駅名にもなっているくらい

有名な市場ですね。以前、仕事で何度か築地市場駅に降り立ったときは

やはり少し潮風というか、魚の香りがしました。

 

築地魚河岸三代目は、その中でも「仲卸」のお店がメインの舞台。

仲卸という業態って、数年前まで知りませんでした。

知ったきっかけも、別の漫画「槇村さとる/モーメント」で

「登場人物のお父さんの職業」として

ちらっと紹介されていたことでした。

 

槇村先生のスポ根作品は自分もスポーツしたくなります。

なるだけで始めない、もしくは続かないのだけども。

 

とにかく、それで見る迄「仲卸(なかおろし)」という言葉も

なんとなく聞いた事はあったかもしれませんが、ほぼ初見でした。

 

築地魚河岸三代目は、食エッセイ漫画が好きな私に、

「食べ物が出てきて明るく楽しめる漫画」として

おすすめされた漫画でした。

 

築地、魚河岸、仲卸…と聞いて、職人気質の食漫画で

ヘビーなのかと思いましたが、その反対で、

豊富な知識がたくさんつめこまれているのに

大変さくさくライトにさわやかに、でも軽すぎず読める漫画でした。

 

主人公の旬太郎は、(多分)エリートの仕事ができる銀行員でしたが

婿養子で妻の実家の家業である築地魚河岸の三代目となるところから

ストーリーが始まります。

この旬太郎が、食いしん坊かつ仕事熱心で、

自ら周囲を巻き込みつつどんどん成長していく姿を

色々な魚の知識とともに楽しむ事ができます。

旬太郎が泣く泣く銀行員を辞めたわけではなく、自らすすんで三代目となって

前向きに仕事に取り組んでいく姿はいろんな人の心を打つのではないでしょうか。

(私は打たれました。ぐす)

 

ちなみに、公開当初知りませんでしたが

大沢たかおさん主演で映画化されていたようです。

築地魚河岸三代目 - 作品 - Yahoo!映画

 

そして、読んでいる時「どっかで見た事あるな…」と思ったのは

ネット上で一時期流行したboketeのコラでこすられまくっていたシーンだということは

読了後に気づきました。

 

matome.naver.jp

 

魚が好きな方もそうでない方も、是非一度ご賞味ください!