集合場所は本屋です

誰かに伝えたい、読んだ漫画・本についてまとめます

現代のサイコホラー 野原広子 ママ友がこわい 子どもが同学年という小さな絶望

ママ友という言葉からは、「ともに子育てに挑む同士」というプラスのイメージと

流行の「マウンティング女子の見栄の張り合い」というマイナスイメージの

両方を持っています。

こちらは、どちらかといえば後者にあたるのですが

そういう一言では表せないような恐ろしいママ友のお話です。

 

野原広子先生の「離婚してもいいですか」は読んだ事があり、

こちらもよくありそうな日常の話なのに

少し背筋が寒くなるような怖さがありました。

 

しかしこの「ママ友がこわい」は、より恐ろしい…

まさに現代のホラーです。

野原先生、すごい!と思うのは、主人公の立場から描いたエピソードと

相手のママ友の立場から描いたエピソードが両方ともとてもリアルで

どうしてこんな関係になってしまうのか

本当に今日も日本のどこかの幼稚園で起こっていそうな出来事だと

思わされるところです。

 

ママ友に限らず、過去に人間関係で悩んだ事がある人には

良くも悪くもぐっと胸がつかまれるのではないでしょうか。

この作品を読む事でトラブルを客観的に見る事ができるので

少しだけ気持ちが楽になる…かもしれません。 

 

野原先生、コミックエッセイプチ大賞の受賞者でいらっしゃるので

読み終わるまで「これ、実録エッセイだったらどうしよう…」と思いながら

読んでいましたが、創作のようです。安心しました。。。

 

お子さんがいらっしゃる方、そうでなくても

少し怖い気分を味わいたい方、おすすめです。

時事ネタ風ギャグてんこもり 沙村広明 波よ聞いてくれ(1)

沙村広明先生と言えば大作、無限の住人が有名かもしれませんが

私は「おひっこし」や「ハルシオン・ランチ」のような

ギャグ路線の作品が大好きです。

特にゆるい大学生のありそうな日々を描いた「おひっこし」は、

当時学生だった自分の胸をわしづかみでした。

 

 

そんなギャグ路線で久々の連載が

『波よ聞いてくれ』。

主人公は北海道のスープカレー屋で働く女性、

ひょんなことからラジオパーソナリティーになるお話です。

 

昨今のSNS事情やちょこちょこ挟まれる時事ネタがツボで、

そのまま日常会話で使いたくなる言い回しも最高です

(でも、現実で使うとぽかんとされてしまう。だからみんなに読んでほしい)。

 

戦国好きでなくても面白い!上杉謙信女性説 東村アキコ 雪花の虎 1 (ビッグコミックス)

上杉謙信がどこで何をした武将か知らなくても

さすが東村アキコ先生。

上杉謙信という武将が「もし、女性だったら」どんな人物だったのか、

そしてその人物を取り巻く周りの人間模様や時代を描きつつ

10ページに一度はふふっと笑えるギャグがちりばめられていて、

さくっと1巻を読み終わってしまいました。

1巻では後の謙信の出生から少女(少年?)時代までしか

描かれていませんが、続きが非常に気になります。

 

ちなみに、先日2015年9月4日(金)にNHKで放映された

浦沢直樹の漫勉第一回ゲストが東村アキコ先生でした。

その時の制作現場がこの雪花の虎で、1巻のラストシーンが

どのように制作現場で出来上がっていったかを知る事ができます。

2015年9月20日(日)0時より再放送するみたいです。

www.nhk.or.jp

 

小学館の月刊誌「ヒバナ」で連載が始まってから

毎月読んでいたのですが、コミックスだと巻末おまけ漫画が

3Pくらいついているのですでに誌面で一読済みの方にも

おすすめです。

東村先生、東京タラレバ娘と並行して連載かけもちなのに

おまけ漫画も書いていて超速筆だな…!と思っていましたが、

前述の番組を見ると納得できます。

 

武将好きの方、東村先生の作品好きの方に

おすすめの1冊です。