現代のサイコホラー 野原広子 ママ友がこわい 子どもが同学年という小さな絶望
ママ友という言葉からは、「ともに子育てに挑む同士」というプラスのイメージと
流行の「マウンティング女子の見栄の張り合い」というマイナスイメージの
両方を持っています。
こちらは、どちらかといえば後者にあたるのですが
そういう一言では表せないような恐ろしいママ友のお話です。
野原広子先生の「離婚してもいいですか」は読んだ事があり、
こちらもよくありそうな日常の話なのに
少し背筋が寒くなるような怖さがありました。
しかしこの「ママ友がこわい」は、より恐ろしい…
まさに現代のホラーです。
野原先生、すごい!と思うのは、主人公の立場から描いたエピソードと
相手のママ友の立場から描いたエピソードが両方ともとてもリアルで
どうしてこんな関係になってしまうのか
本当に今日も日本のどこかの幼稚園で起こっていそうな出来事だと
思わされるところです。
ママ友に限らず、過去に人間関係で悩んだ事がある人には
良くも悪くもぐっと胸がつかまれるのではないでしょうか。
この作品を読む事でトラブルを客観的に見る事ができるので
少しだけ気持ちが楽になる…かもしれません。
野原先生、コミックエッセイプチ大賞の受賞者でいらっしゃるので
読み終わるまで「これ、実録エッセイだったらどうしよう…」と思いながら
読んでいましたが、創作のようです。安心しました。。。
お子さんがいらっしゃる方、そうでなくても
少し怖い気分を味わいたい方、おすすめです。